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施設見学

富士山樹空の森

雪上車&天空シアター
富士山で活躍した雪上車と
天空シアターを紹介します

富士山樹空の森にやってきました!
富士山樹空の森・ビジターセンター前にて

今日は、雪上車を見学します!
雪上車

この雪上車は、富士山で使用されていました。
何のために使われていたのか、というと……。

富士山測候所

かつて富士山頂には、有人の気象観測所がありました。
天気の良い日には、ふもとの御殿場市街から、山頂の丸くて白い観測用レーダードームを肉眼で見ることができました。
そうです! 冬の富士山で人や荷物を運ぶのに活躍したのが、雪上車です!
富士山測候所と看板

【写真 上・右】
 提供:裾野市立富士山資料館

雪に覆われた富士山富士山は11月頃から翌年5月頃まで、山頂から標高2000m付近にかけて雪におおわれます。
その間、雪上車が月に2~3回、山頂観測所の交替要員と強力(ごうりき)、食糧などを運んでいました。

標高1300mの富士山測候所太郎坊基地から標高2500mあたりまで約1時間半かけて雪上車で登り、そこから歩いて山頂へ向かいました。


雪上車の側面に書かれた「富士山測候所」の文字気象衛星の発達などによりレーダーが廃止され、2004年(平成16年)には測候所は自動観測に切り替えられて無人化しました。

御殿場市では使命を終えた雪上車を2005年(平成17年)に譲り受け、樹空の森で展示しています。
車体には「富士山測候所」の文字が記されています。

この雪上車は、気象観測の移り変わりを見守り続けてきたんですね。

車内を見てみましょう

特別に許可をいただき、運転席に座ってみました。
※通常は、外観のみの見学となります。車内への立ち入りはできません。
 年に数回開催される「雪上車内部見学会」では、車内の見学が可能です。

スイッチや計器類がたくさん並んでいます。
雪上車のコックピットに座る

雪上車のラジエターの水温計丸いアナログ式メーターに親しみを感じますね。
これはラジエターの水温計。

運転席の計器類などを拡大してご覧になりたい方はこちら。
★下の画像をクリックすると大きな画像が開きます。もう一度クリックすると、さらに拡大します。(4912×3264ピクセル、1.9MB)
元の画面に戻るには、ブラウザの矢印(「戻る」ボタン)をクリックしてください。
▼クリックで拡大
雪上車のコックピット

【参考】 雪上車がはじめて富士山測候所の輸送に導入されたのは1967年(昭和42)年です。樹空の森の雪上車は3代目の最終号機で、1989年(平成元年)3月から2004年(平成16年)5月まで使用されていました。
ディーゼルエンジン、総排気量5.88リットル、乗車定員は10人です。

アメリカ Tucker Sno-Cat社の「Sno-Cat 1700」という機種です。
「Sno-Cat」を日本語に訳すと「雪猫」でしょうか。Tucker Sno-Cat社のホームページ http://www.sno-cat.com/ には、首にマフラーを巻いたネコのイラストが描かれています。

雪上車 in 冬景色

雪が降ったときに撮った写真があると聞き、樹空の森からお借りしました。
雪景色の中の雪上車・その1

冬の富士山で活躍していた頃の雄姿が目にうかぶようです。
雪景色の中の雪上車

雪上車を通して、気象観測の歴史の一端を知ることができました。

天空シアターも おすすめです

天空シアター入口雪上車とあわせて見ておきたいのが、天空(てんくう)シアターです。
樹空の森の天空シアターには、富士山の気象観測の歴史を紹介したコーナーがあります。

私たちは、天気予報で数日先の天気を知ることができます。それが当たり前になっています。
しかし昔は、現在のような「正確な天気予報」は、まだありませんでした。「明日は晴天」と予報しながら、大雨になるような「大はずれ」がたびたびありました。「天気」という言葉は「予測のつかないもの」「急に変わるもの」の代名詞だったのです。

台風が突然やってきて、尊い人命がたくさん失われる悲劇が何度も繰り返されてきました。昔の人々にとって、「台風がいつ、やってくるのか?」「天気がどう変わるのか?」を知ることは、大きなテーマだったのです。 天空シアターの富士山気象観測関連の展示物

天気を予測するには、上空の大気の変化(気圧や気温、風向きなどの変化)を知ることが重要です。そこで注目されたのが、日本一高い山 富士山です。
気象学者の野中到(のなか いたる)は、私費を投じて富士山での気象観測に取り組みました。越冬観測に挑み、1895年(明治28年)10月から12月にかけて、妻の千代子と共に富士山頂で気象観測をおこないました。
厳冬期の観測は困難を極め、観測機器が次々と壊れ、夫妻も病気になり越冬を断念しましたが、その取り組みは広く知られるところとなり人々に感銘を与えました。
野中到・千代子の展示

野中到に続く佐藤順一(凍傷で右足5本の指を失った)の再挑戦など先人たちの活動の積み重ねもあって、1932年(昭和7年)に富士山頂の東安河原に中央気象台「臨時富士山頂測候所」が開設され通年観測がはじまりました。
1936年(昭和11年)には最高峰の剣ヶ峯に「臨時」の文字が外された「富士山頂気象観測所」として移設され、1950年(昭和25年)年には「富士山測候所」となりました。当時、世界でもっとも高所にある常設気象観測所でした。
1965年(昭和40年)には富士山レーダーの運用がはじまり、台風観測に威力を発揮しました。


★画像をクリックすると大きな画像が開きます。もう一度クリックすると、さらに拡大します。(3010×2000ピクセル、389KB)
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佐藤順一の証言

気象観測を支えたのは、御殿場の強力(ごうりき)や馬方(うまかた)たちでした。機材や食糧を背負子(しょいこ)で背負(せお)い、また馬の背に載せて荷揚げをしたり、登山ガイドの役割もはたした人々です。特に初期の気象観測は、強力や馬方の助けなしでは成り立ちませんでした。
富士山レーダー建設を機に運搬用にブルドーザーが導入され、冬季には雪上車が導入されるなど変遷はありましたが、人の力に頼る部分は最後まであり、大きな功労者でした。


★画像をクリックすると大きな画像が開きます。もう一度クリックすると、さらに拡大します。(2456×1632ピクセル、368KB)
▼クリックで拡大
強力・馬方の写真と資料

作家・新田次郎の『強力伝』『芙蓉の人』『凍傷』『富士山頂』などの作品群を通して、強力の仕事ぶりや富士山の気象観測に関わった人々の偉業を知ることができます。(新田次郎自身が気象庁の職員であり、高層気象観測課長・測器課長として富士山レーダー設置に関わりました)

その後、気象衛星や観測装置の発達などにより、1999年(平成11年)に富士山レーダーの運用が終わり、2004年(平成16年)には山頂の測候所は自動観測に切り替えられて無人化しました。日本の気象観測の歴史の1ページが幕を閉じました。
富士山レーダーの写真

樹空の森の天空シアターには、ほかにもさまざまな展示物があります。
1927年(昭和2年)御殿場に研究所を開設し、富士山にかかる雲と気流の関係を調査した阿部正直博士の観測機器や資料も展示されています。下は、阿部正直博士がステレオ撮影した雲の写真を見ることができる立体写真箱の展示コーナー。
阿部正直博士が撮影した雲の立体写真の展示

以上、雪上車と天空シアターの見学でした。


【注意】
冬季の富士登山は、たいへん危険です。
富士登山は夏季の登山シーズン中(7月上旬~9月上旬)にしましょう。
参考 ⇒ 富士登山シーズンは7月上旬~9月上旬です

見学のご案内

●雪上車の見学について
樹空の森は入園無料です。
雪上車は屋外に展示されています。開園時間内であれば、雪上車の外観を自由にご覧いただけます。柵の外からの写真撮影が可能です。乗車はできません。
年に数回開催される「雪上車内部見学会」では、内部の見学が可能です。雪上車内部見学会の開催予定は富士山樹空の森ホームページに掲載します。

●天空シアターの見学について
このページで紹介したのは、天空シアターの展示の一部です。ほかにも、富士山の成り立ちや自然に関する展示、大型スクリーンによる映像上映、富士山立体模型による映像上映などをおこなっています。
入場料は大人300円、小・中学生150円(20人以上の団体は50円割引)
※天空シアター内は写真撮影可能ですが、フラッシュの使用は禁止です。

●その他の見学・利用について
富士山樹空の森

樹空の森の広大な敷地内には、ほかにもたくさんの展示物や施設があります。見学や利用が可能ですのでご活用ください。

  • ビジターセンター
    樹空の森の中心となる建物です。富士山や自衛隊についての展示コーナー(無料)、天空シアター(有料)、企画展示室、レストラン、売店などがあります。屋上からは、富士山や箱根外輪山が一望できます
  • 企画展示室
    各種の展示やイベントが開催されます(有料/無料)
  • レストラン
    富士山をながめながら食事・喫茶が楽しめます
  • 売店
    おみやげなどを販売しています。地元農産物や自衛隊グッズが人気です
  • ふれあい広場・まるびドーム
    広々とした芝生広場でイベントが開催されます。ドームがあるので雨でも安心
  • ファミリースケートリンク
    冬季限定にてスケートリンクを設置します。(例年12月頃~2月下旬頃)
    ※2016年12月~2017年2月はスケートリンクの営業はいたしません
  • 溶岩広場・溶岩樹型
    富士山噴火の溶岩や、溶岩でかたどられた樹木の跡をご覧いただけます
  • ヘリコプター広場
    自衛隊で使用されていたヘリコプターが展示されています。通常は外観のみの見学が可能ですが、年に数回開催される「ヘリコプター内部見学会」では、内部をご覧いただけます
  • 冒険の丘
    ローラースライダーなどアスレチックや屋外遊びを楽しめます。小さなお子さんや小学生に大人気です
  • みずの広場
    水遊びができます
  • さくらの散歩道、もみじの小径、四季彩の丘
    季節の花々や木々のいろどりを楽しめます
  • パークゴルフ場
    全18ホールのパークゴルフ場です
  • 御胎内温泉(おたいない おんせん)
    富士山が見える日帰り温泉です。食事もできます
  • たくみの郷(たくみのさと)
    御殿場名物「みくりやそば」の手打ち体験と食事ができます
  • 御胎内清宏園(おたいない せいこうえん)
    富士山噴火で埋まった溶岩地帯に生い茂った森です。溶岩洞窟(国指定の天然記念物)があります(樹空の森からクルマで2分、徒歩10分)

くわしくはホームページをご覧ください。


〒412-0008 静岡県御殿場市印野1380-15
富士山樹空の森

TEL:0550-80-3776 FAX:0550-80-2236
パークゴルフ直通:0550-70-9393
レストラン直通:0550-88-3400

営業時間:9:00~17:00(12月~2月は16:00まで)
定休日:火曜日(祝日の場合、翌日休園) 及び年末年始
※7月20日~8月31日までは無休


【アクセス】

(公開2013/11、最終更新2016/12)