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施設見学

松岡別荘陶磁器館

御殿場の別荘文化にふれる

ここは、第63代外務大臣を務めた松岡洋右(まつおか ようすけ 1880年/明治13年~1946年/昭和21年)が別荘としてすごした場所です。現在は、四男の志郎・陽子夫妻が住まわれ、松岡別荘陶磁器館として公開されています。
この日は、陽子さんが出迎えてくれました。

松岡志郎さん。館内にて。

御殿場が保養地・別荘地としての顔を持つことを、みなさんはご存じでしょうか?
目に前にそびえる富士山と、夏の冷涼な気候。そして東海道本線開通による東京・横浜方面からの交通の便のよさから、明治後半以降、御殿場の東山・二の岡地区は保養地として人気を集めました。
皇族、政界・財界人、文化人などが数多く自宅や別荘を構え、松岡別荘陶磁器館はそのひとつです。

敷地内には、当時の茅(かや)ぶきの建物(内部は非公開)があり、近年新たに建てられたログハウス風の建物内で資料や陶磁器が展示・公開されています。

1階には、陽子さんが収集した貴重な陶磁器が展示されています。月に一度、磁器の絵付け教室も開催されています。

2階には、松岡洋右の足跡をたどる資料や、洋右が海外で収集した陶磁器・骨董などが展示されています。

松岡洋右の足跡

洋右は、1880年(明治13年)山口県で廻船問屋の四男として生まれました。父の事業の失敗をきっかけに、アメリカで成功していた親戚をたよって留学のため渡米します。1893年(明治26年)、まだ13歳のことでした。
東洋人への差別が根強かった時代、苦学の末1900年(明治33年)にオレゴン大学法学部を卒業します。

その後、外交官や衆議院議員などを経て、満州鉄道総裁(1935年/昭和10年~1939年/昭和14年)、外務大臣(1940年/昭和15年~1941年/昭和16年)などを歴任します。

モスクワ駐在時代の洋右
(1912年/大正元年)

下の写真は1932年(昭和7年)12月8日、日本の首席全権として派遣された国際連盟臨時総会で発言する姿です。後に「十字架上の日本」と呼ばれた1時間20分におよぶ原稿なしの英語による大演説を行いました。

オレゴン大学所蔵『松岡全権大演説集』(大日本雄弁会講談社刊、昭和8年)より転載。

その後も、日本の国際連盟脱退(1934年/昭和9年)、日独伊三国同盟および日ソ中立条約の締結(1940年/昭和15年)など日本外交の重要な局面に関わりました。
戦後、極東国際軍事裁判公判中の1946年(昭和21年)、66歳で病没しました。

今回、そういった広く知られた足跡をたどる資料と共に、洋右の別の一面にふれる資料を拝見しました。

これは、母校・オレゴン大学を1933年(昭和8年)に訪問したときの講演記録です。

【参考】オレゴン大学がインターネット上に公開しているライブラリーで、松岡洋右の発言資料や、研究者による評伝などをPDFファイルで読むことができます。
●UO Libraries:http://library.uoregon.edu/
ページ中央の検索窓に「matsuoka」と入力し、「UO Libraries」を選択しSearch(検索)ボタンをクリック、さらに「All others continue as guest 」をクリックすると関連資料のリストが表示されます。

こちらは、洋右直筆の書簡です。

※展示の都合により、ご覧いただけない資料もあります。

漢籍に基づく日本の伝統的教養をそなえ、なおかつ外国語を自在に使いこなせた人は多くはありません。政治家の評価は立場や時代によって異なるものですが、国際人であり教養人であった洋右の一面がうかがえる貴重な資料です。

敷地内を散策

この日は天気が良かったので、敷地内を散策しました。
茅ぶきの古い別荘前にて。昔は高い木はなくて見晴らしがよく、指さす方角に富士山がよく見えたそうです。

1933年(昭和8年)頃。東山から富士山を眺める父・洋右と子・志郎。

見学のご案内

■「松岡別荘陶磁器館」見学のご案内
休館日:不定休のため事前にお問合せください
開館時間:10:30~17:30
見学所用時間:30分~60分
入館料:一般……500円、中学生まで……250円
住所:〒412-0024 静岡県御殿場市東山1082-107
電話:090-9133-1224
電話:0550-83-6783
電話受付時間:9:30~17:30

【磁器の絵付け教室】……毎月1回、開催しています(有料)。
【御殿場椿の会】…………松岡陽子さんが事務局を務めています。防風林や垣根として、椿は古くから人々に親しまれてきました。御殿場市内にも松岡別荘陶磁器館をはじめ椿を鑑賞できる場所があります。御殿場椿の会では、鉢物・切り花・生け花などを楽しんだり、椿の実の収穫や油搾り体験などの活動をおこなっています。お問い合わせください。


【アクセス】

(公開2015/02、最終更新2016/08)